こんにちは、ペン太郎です。
2021年に自身の住居用に中古物件を購入し、フルリフォームしました。
リフォームには必要となる知識が多く、全てを把握している業者が少ない実態があります。その為、業者自身の思い込みや過去の経験による先入観により、最適な提案がされているとは限りません。
これからリフォームしようとする方に向けて、正しい知識を持って納得出来るリフォームが出来る様、実際にリフォームしてきた知見からリフォームについて解説します。
家屋における熱の伝わり方の基本
家屋において考慮すべき熱は、輻射(放射)熱と対流熱と伝導熱の3つとなります。
各熱が家屋に影響を及ぼす割合は、輻射(放射)熱が75%、対流熱が20%、伝導熱が5%と言われいます。凡その割合を頭に入れた上で、各熱の内容について見ていきましょう。
輻射(放射)熱とは
簡単に言うと、太陽光から伝わる熱を輻射(放射)熱と言います。
当然ではありますが日光が当たる部分は、熱くなります。
冒頭で申し上げましたが、耐熱・断熱を考えるなら、まずは輻射(放射)熱に対処することが必要です。
輻射(放射)熱への対応は意外に、簡単で、庇(ひさし)や日除け、耐熱・断熱カーテンを用いて直射日光を避ける様にしましょう。
庇(ひさし)を確認しよう
夏は太陽が高く、冬は太陽が低いです。
熱効率を考えた場合、夏は熱を取り込まず、冬は熱を取り入れたいですよね。
南向きの部屋の窓に庇を取り入れることで、夏の太陽光は庇が防ぎ、冬の太陽光は庇があっても取り入れることが可能となります。
一方、東向きや西向きの部屋については、太陽光が低い位置にあるため、庇をつける意味はありません。
南向きの窓で夏場に太陽光が入ってきてたり、冬場に太陽光が取り込まれていない場合は、庇を見直すのが良いでしょう。
対流熱とは
対流熱とは、循環する空気が保有する熱のことです。
当然ではありますが、冷暖房の対象とする空間が大きくなれば、熱効率は悪くなります。
なので、冷暖房機器を取り入れる際には、その冷暖房機器が対象とする空間を可能な限り小さくしましょう。
空間を小さくする方法は2種類あり、天井高を下げる方法とドアを配置する方法となります。
逆を返せば、天井高を上げるリフォームについては、その分、熱効率が悪くなることを考慮に入れましょう。更には、天井高を上げるために直天井とした場合は、断熱材や空気の層による断熱効果を取り入れることが出来なくなるため、伝導熱も直で伝わる様になります。
伝導熱とは
伝導熱とは、壁を伝わる熱となります。
当然ながら、耐熱材が入っていない壁はダイレクトに熱を伝えます。
伝導熱で考慮すべきなのは、窓からの伝導熱と壁からの伝導熱となります。
窓からの伝導熱は、2重ガラスやスペーシアガラスの導入により、伝導熱からの影響を下げることが出来ます。
壁からの伝導熱については、断熱材を入れる必要があります。
断熱材を入れる為には壁を外す必要がありますので、これまでの対策と比較し、リフォーム費用が高くなります。
逆に、リフォーム後の家に対して断熱材を取り入れると壁の取り壊し費用が追加で発生するため、スケルトンリフォームをするならば、そのタイミングで断熱加工を取り入れるのを選択肢として考慮するのはアリでしょう。
断熱材はどれを選べば良いのか
断熱材は種類により熱伝導率が異なります。
グラスウール素材よりもウレタンフォーム素材は、熱伝導率が高くその分、価格も高いです。
では、ウレタンフォーム素材を選択した方が、劇的に断熱効果は高まるのでしょうか。
冒頭の各熱の及ぼす家屋への影響度合いを思い出してください。
伝導熱が家屋に及ぼす影響は、わずか、5%なのです。
当然ながら、断熱加工した家屋の方が良いことは確実ですが、素材により劇的に断熱効果が変わることはありません。
それよりも、断熱材は隙間なく埋めることが重要となります。
壁を断熱加工する際には、工務店の実績や過去の工事の評判などを確認する様にしましょう。
また、素材提案の際に、ウレタンフォーム素材を勧めてくる工務店があれば、その効果を確認する様にしましょう。ウレタンフォーム素材の方がわずかに断熱効果が高いが余り効果が無いと認める工務店は、信頼出来る工務店と言えましょう。
木造家屋では、内部結露も考慮しよう
熱の話なのに、何故、結露?と思った方も多いでしょう。
結露は、内外の温度差により発生するからです。
空気が含有出来る水蒸気量は、温度によって異なります。
暖かい空気の方が含有出来る水蒸気量が多く、冷たい空気の方が含有できる水蒸気量は少ないです。理科でやりましたね。
外気温と内気温の差が大きくなればなるほど、結露の可能性が高くなります。
ここで考慮が必要になるのは、眼に見えるものだけが結露ではない、ということです。
モノの表面で起きる結露は表面結露、モノの内側で起きる結露は内部結露と呼ばれています。
内部結露は非常に恐ろしく、カビの発生原因になるだけではなく、耐熱性を下げ、耐久性をも下げます。
日本の家屋においては、冬場に内部結露が発生しやすいです。
断熱材を取り入れた耐熱加工をする際には、結露計算をし、内部結露が発生しない設計をする様にしましょう。
ここで注意すべきなのは、防湿シートを取り入れても内部結露が発生する可能性があることです。
多くの工務店では、結露計算用のツールを持っています。
結露計算をして、本当に内部結露が発生しないか、確認する様にしましょう。
結露計算が出来ない工務店には、断熱加工のリフォームを依頼するのは避けた方が良いでしょう。
以上、耐熱・断熱の基礎知識を解説しました。
最低限の知識を取り入れ、後悔のないリフォームをする様にしましょう!
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