こんにちは、ペン太郎です。
大手SIerから監査法人を経て、金融機関にシステムコンサルとして転職しました。転職面接を何度も経験してきました。
合格確率を上げる転職面接はナレッジと慣れです。
転職面接のポイントを抑えることで転職成功率を上げましょう!
想定問答は事前に準備しておこう
転職面接での応答には、当然ながら本音と建前があります。
「楽して金を稼げる仕事に就きたい。」が本音であっても、それをそのまま転職面接で語っては不採用になりますよね。(正直者として、採用される可能性もあるにはあるでしょうが、可能性は低いでしょう。)
転職面接では、本音で語ってはいけない系の質問があるのは事実です。
翻って考えて頂きたいのが、本音で語ってはいけない系の質問は建前で返信が返ってくるのが容易に想像できるため、面接官も内容を気にしていないと言えるでしょう。
そういう質問で時間を費やす面接官もどうかとも思いますが・・・。
違和感がある質問とその対策
転職面接は、企業と候補者のお見合いとも言われています。
互いに対等な関係であるはずの企業と候補者の関係が、面接という特殊な空間になると、面接する側が一方的に強くなるのです。
企業と候補者が対等な関係だとすると、転職面接の質問には、違和感がある質問があることに気づきます。
以下は、転職面接で違和感のある質問の例です。わかりやすくする為に、カッコ内はお見合いでの質疑に変換してみました。
- 何故、当社を志望したのですか。(何故、数あるお見合い相手から私を選んだのですか?)
- 他社の選考状況を教えてください。(お見合いで、関係性が進んでいるヒトはいますか?)
- 当社の志望順位は何番目ですか。(お見合いで、私は何番目にあたりますか?)
- 自己PRをしてください。(あなたとお付き合いするとどんな良いことがありますか?プレゼンして下さい。)
- 最後に、質問はありますか。((一連のお見合いが終わった後に、)最後に、質問はありますか?)
どうでしょう?違和感があるでしょう。
当然ながら、この手の質問に対しては、本音で答える必要はありません。
何故、当社を志望したのですか。
お見合いで考えるとわかりやすいですが、返答では内面に踏み込む回答は危険です。
内面に踏み込んだ回答をすると、実情を知らないのに何を、と思われる可能性が高いからです。
ここでの内面とは、職場関係が良いと聞きました、とか、自由にモノを発言出来る環境と聞きました、若手が活躍出来る環境と聞きました、などです。
内面ではなく、外面や自身のことについて語るのが安全でしょう。
お見合いで言うと無難な回答例は、「プロフィールに犬好きとあり、自分も犬好きなので犬の会話で盛り上がれると思ったので、お申し込みさせて頂きました。」という感じでしょうか。
(当質問に対する無難な回答例)
募集要項に〇〇、△△、□□のスキルの人材を募集していると拝見しました。自分は、〇〇、△△、□□のスキルを保持しています。自身が持つこれらのスキルを最大限活かせる環境があると感じ、志望させて頂きました。
更に深掘りして聞かれれば、
自身が活躍出来る(成果を出せる)環境があることに加え、これらのスキルを更に伸ばせそう(自身の成長に繋がる)だと感じた。など、と答えると良いでしょう。
他社の選考状況を教えてください。
これは、非常に回答に悩む質問です。
御社のみです、と答えた場合は、他にもっと有力な候補者がいるかもしれない、と企業の選考スピードが遅くなる要因となります。
一方で、有力な選考先があります、と答えれば、企業の意思決定を速めれる可能性がありますが、他に有力な候補者がいた場合に、優先して落とす候補になります。(同じ実力の候補者が複数いた場合に、面接を通した場合に辞退もありえる候補者とそうでない候補者、どちらを選択するかは、明らかですよね。)
質問内容自体に意味があるとは思えないですが、どちらの回答を選ぶにしても一長一短があるため、正直に答えて問題ない質問だと言えます。
なお、他社も選考していると答える場合は、”他社と当社の違いは何ですか?”、”他社より当社の方を志望している理由は何ですか?”といった質問にも回答出来る様にしておきましょう。
前述の無難な回答例にあった様に、自身の持つスキルが競合より御社の方がより活躍出来る環境があると思ったからです、といった回答が無難な回答と言えるでしょう。
当社の志望順位は何番目ですか。
言うまでも無いですね。問答無用で、1番目と答えてください。
自己PRをしてください。
毎回、この手の質問を受ける度に感じるのですが、芸が無い質問だと思います。
面接に慣れてない担当者や一次面接などから聞かれることが多い傾向にあります。
職務経歴を説明してください、や、スキルを説明してください、といった質問なら理解は出来るのですけどね。
この質問が来た時には、『基本の型』に沿った自己PRをしましょう。
『基本の型』の記事をまだ見られていない方は、以下の記事をご参照ください。
【第2回】転職活動における『基本の型』
最後に、質問はありますか。
この質問、非常に困りますよね。
福利厚生制度や残業の有無などについて質問するのも、仕事に対するやる気を疑われかねないし、質問をしないのも、消極的な人間と見られかねないためです。
なので、私は、この手の質問が来た時には、毎回以下を質問する様にしています。
「仮に採用を頂くことになった際には、転職直後から最高スピードで仕事を進めたいと考えています。その為に、就職までに事前に準備しておいた方が良いことはありますか?」
積極性をアピールしつつ、どんな立場のヒトにも聞けるので万能な返答ではあります。
質問されやすい質問とその対策
転職面接では、必ず質問されることがあります。
それは、「退職事由」と「不都合な実績」です。
ほぼ間違いなく聞かれるので、想定問答として事前に準備しておきましょう。
退職事由への回答方法
退職事由への回答では、現職の上司や会社の問題をあげない方が無難でしょう。
どんな企業でも言えることではありますが、良い点もあれば悪い点もあります。また、その良い点、悪い点というのも、ヒトによって異なります。
例えば、毎日朝の9時から夜9時まで仕事をすることに対して、労働時間が長いと感じるでしょうか。
深夜の1時や2時まで仕事をすることを求められているヒトにとっては、労働時間は短いホワイト企業だ、という判断になりますし、仕事は夕方5時までと決めているヒトにとっては、労働時間が長いブラック企業と言えるでしょう。
何が言いたいかと言いますと、企業の良い悪いは、ヒトの感性によって決まるため、就職してみると何かしら悪い点が見えてくる、ということです。
と、するならば、前職を辞めた理由が上司や会社の悪い点ならば、何かしら悪いことが起きると直ぐ転職するヒトなのでは?と捉えられかねないのです。
本当の退職理由は現職の上司や会社にあったとしても、自己実現のため、と答えるのが無難な回答でしょう。
具体的には、『基本の型』に沿った説明をしたうえで、現職より活躍出来る場があると感じた、と答えましょう。
想定問答で、それは現職では実現できないのですか、と聞かれるでしょう。
そうした場合は、当然ながら現職でも実現は出来るが、より活躍出来る場があると感じた御社を志望しています。また、実務経験を通じてこれらのスキルを更に伸ばしたいと感じたからです。と答えるとより説得力が増すでしょう。
不都合な実績への回答方法
退職回数が多い、留年したことがある、浪人したことがある、といった不都合な実績については、質問が来ると想定しておいた方が良いでしょう。
退職回数が多いことに対しては、〇〇の勤務先では△△のスキルを、××の勤務先では、〇△のスキルを身に着けた。スキルを十分に身に着け、新たなスキルを習得するために転職した、などと答えると良いでしょう。
留年、浪人に対しては、『基本の型』で説明したコンピテンシーと整合性の取れた説明をする様にしましょう。
まとめ
転職面接では、聞かれる頻度の高い質問があります。その手の質問に対しては想定問答を考えておきましょう。
想定問答を考える上では、1段階、2段階と深掘り質問されることも想定しておきましょう。
それ以外の質問については、『基本の型』に沿った一貫性を持った回答をすると良いでしょう。
面接での回答が、転職成功の合否を決めるといっても過言ではないでしょう。余りに準備しすぎた回答は怪しまれる点があることにはありますが、準備しなさすぎでは、何も考えてないヒトと思われます。
想定問答に対する回答を準備し、転職成功率を上げていきましょう!
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