転職活動での職務経歴書や面接では、基本の型を抑えよう

転職大全
この記事は約9分で読めます。

こんにちは、ペン太郎です。

大手SIerから監査法人を経て、金融機関にシステムコンサルとして転職しました。転職活動を繰り返すうちに、転職活動には”型”があることに気づきました。

転職活動は経験したことの無いヒトにとっては敷居が高いものですし、際立った実績のない転職未経験の一般サラリーマンにとっては条件の良い企業やポジションへの転職は成功率は高くはありません。

“型”を抑えることで転職成功率を上げると共に、どうすれば良い企業にハマる転職が出来るかを理解しましょう!

自己PRの基本型を抑える

転職活動では、履歴書や職務経歴書を準備します。

履歴書、職務経歴書は、そのまま書こうとしていないでしょうか。

戦略も無しに書くのはNGです。転職活動はサイエンスです。

コンピテンシーに基づく、実績・スキル

実績・スキルで、アピール出来ることは何でしょうか。

当然ながら、同じ様な業務があった場合に、再現性高く業務遂行出来ることですよね。

では、同じ様な業務が来た時に、それが偶然ではなく再現できることを論証するには、どうすれば良いのでしょうか。

業務を再現出来ることを説明する為に出てくるのが、コンピテンシーです。

コンピテンシーとは何か

ここでのコンピテンシーとは、考え方の指向です。

考え方の指向とは、「思考派なのか、行動派なのか」や「柔軟性があり計画変更を受け入れやすいのか、計画遂行能力があり一度決めた目標に対してはやりきらないと気が済まないのか」など、そのヒトが持つ性質のことです。

ここで注意しないといけないのは、コンピテンシーにおいては長所と短所が表裏一体であることです。

思考派であれば、熟慮を重ねるので失敗しない一方、動き出しに時間がかかる、とも言えますよね。

コンピテンシーと実績・スキルの関係性

実績・スキルを説明するにあたっては、このコンピテンシーと実績・スキルの関係性を説明する必要があります。

同じ、営業で成績を挙げたことにしても、「持前の粘り強さで営業で成績を挙げました」、というのと、「持前のコミュニケーション能力からキーマンからニーズを聞き出すことで、営業で成績を挙げました」というのでは、ニュアンスが異なりますよね。

このコンピテンシー、意識していないとブレることが多いので、注意が必要です。

例えば、SPIの性格診断は、ただの性格診断と考えていないでしょうか。

SPIの性格診断は、受けた方はわかると思いますが、思考の指向性について問われます。

この性格診断とコンピテンシーや、長所や短所など、一貫性を持っていなければ、何処かで偽っていると捉えられてしまいます。

この様に、SPIの性格診断ではありのままに答え、整合性が合うようにしなければなりません。

実績・スキルの説明では、相手にイメージさせることが重要

コンピテンシーについて理解した後は、実績・スキルをどの様に説明すれば良いのか考えていきましょう。

テクニックが要求されますが、実績・スキルを説明する際には、ストーリー仕立てにしましょう。

淡々と数値や実績のみを伝えられるよりは、ストーリー仕立ての方が理解しやすいし、何より興味が沸きます。

ストーリー仕立てで、自身の持つコンピテンシーが、如何に実績・スキルに繋がったかを説明するのです。

ストーリー仕立てにすることで、相手が自身が仕事しているイメージを掴みやすくなります。

なお、面接で実績・スキルについて説明した際に、こういう時にはどう対処しますか、といった質問が来ることがあります。

そういった場合は、コンピテンシーに従った説明をすることを忘れない様にしましょう。

優秀に見せようとして、奇をてらう必要はありません。

整合性が取れていない説明ほど、不自然なものは無いためです。

実績・スキルは、募集要項に併せてテーラリングする

実績・スキルは、一度作成すると、変えないものだと思っていないでしょうか。

どの転職先にも同じ、実績・スキルをアピールしていないでしょうか。

結論から言うと、転職先に応じて、実績・スキルは変更すべきです。

マネジメント職の募集ではマネジメント経験について述べるべきだし、技術職の募集ではスキルやその技術を使った実績について述べるべきです。当然ですよね。

しかしながら、転職活動では、似たような業界や職種に応募することが多いため、この原理原則を忘れてしまうのですよね。

Fact(事実)を変更するのはNGですが、アピールする実績・スキルを変更するのは問題ありません。

実績・スキルのテーラリング方法

募集要項には、求める人物像が書かれています。

求める人物像に沿った実績・スキルを設定する様にしましょう。

アピールする実績・スキルは、3つ作成するのが良いでしょう。

マジックナンバー3という言葉がある様に、2では少ないし、4だと冗長に感じてしまいます。

募集要項から実績・スキルを抽出し、3つに足りない部分は、独自の実績・スキルを設定頂いて問題ございません。

なお、考え方として、1つの実績・スキルのみで優位性を表現するのではなく、3つの実績・スキルの組み合わせで優位性を表現する様にしましょう。

並外れた実績・スキルが1つだけあれば、それだけで勝負が出来ますが、上には上がいるものです。

でも、中の上のスキルが2つ組み合わされば、希少性を高めることが出来、3つ組み合わされば唯一の存在となることが出来るのです。

この”中の上”という点が肝となります。

一つの職務経験には、複数の実績・スキルが入っているものです。

例えば、システム開発でリーダーの立場で入っていたとしましょう。

システム開発経験を実績・スキルにすることが出来れば、人材育成や要員管理を実績・スキルとしてうたうことも出来るでしょう。

実績・スキルは、特筆すべきものでないといけない、と考えてしまうと中々思いつかなくなってしまいますが、”中の上”で良いと考えると色々と出てきそうですよね。

実績・スキルの例

わかりにくいので、ここからは例示しながら進めていきたいと思います。

SIerが新規AI事業を立ち上げるために人材募集している、としましょう。

“新規事業の立ち上げ経験を有する”、”AIに係る知見を有する”、”システム開発管理経験を有する”の3点の実績・スキルを有すれば、正しく、求めていた人物像に合致すると言えないでしょうか。

しかも、この3軸に合わせて社会人経験でのFactを合わせれば、当社に来るためのスキルを身に着けるために他社で社会人経験をしてきた、貴重な人材と思われるのではないでしょうか。

これまでの話を総称すると以下の様になるでしょう。

・ 自分には「好奇心が強い」という特徴と「数学的素養がある」という特徴がある。(コンピテンシーの説明)

・ これらの特徴を活かした職業として、AI事業に立ち上げから携わりたいと考えていた。(目的の説明)

・ AI事業の立ち上げに携わるために逆算し、”新規事業ノウハウ”、”AIに係る知見”、そして、一定規模のAI事業に必要となる”開発者の管理ノウハウ”を身に着けてきた。(実績・スキルの概要説明)

・ 社会人となって最初に配属された部門で、”新規事業ノウハウ”を一通り経験したため、”AI関連事業”に異動希望を出した。願いが叶い、一通りの業務を経験した後は、システム開発管理ノウハウ習得のため、SIerに転職した。(目的と実績・スキルの関連性の説明)

・ 各ノウハウは、職務経歴書に記載の各職務を通じて、身に着けてきた。

・ “新規事業ノウハウ”においては、5社とのユニコーン企業との協業を実現し、8つの製品についてリリースしてきた。ユニコーン企業との協業は、その企業では全くの新規という事業でもあったこともあり、費用の税務上の取り扱いから品質管理まで新しいことばかりであった。「持ち前の好奇心」を活かし、書籍等を通じて各ノウハウを知ると共に、深い専門知識が要求される業務領域については税務署相談など、専門家へのヒアリングを通じて、ユニコーン企業との協業プロセスを確立した。(実績・スキルとコンピテンシーの関連性の説明)

この様に、コンピテンシーと目的、実績・スキルの関連性を説明することを通じて、説得力の高い説明が可能となります。

重点的に説明する領域を意識しよう

型説明の最後は、重点説明領域の意識です。

転職活動は、提案活動と同じです。自分という商品を売るのですね。

提案活動における軸は、ヒト(スキル)で推すか、実績で推すか、プロセスで推すかの3パターンです。

ヒト(スキル)で推す

外資系企業の提案活動でよく使われる手法です。

世界的に有名なアーキテクトをプロジェクトに参画させます。政府の〇〇審議会にも出席しているデジタル業界の有識者を参画させます。といった具合です。

転職活動の自己PRにおいては、王道のパターンとなります。

実績で推す

転職活動においては、最も説得力の高い方法となります。

実際に作成したプロダクトを見て頂くのがそのヒトのスキルを図ることが出来ます。

一方で、口で説明するだけでは、説得力は余りないので、他の方法で推していくのが良いでしょう。

ホワイトカラーの転職において、実績で推していく為には、定期的な学会発表くらいの実績は欲しい所です。

なお、提案活動では足切り要件とされることが多いですね。人数が多い企業の提案活動では、同じヒトがプロジェクトに参画するとは限らないので、積極的に推していくべき内容ではなく足切り要件となるのです。

プロセスで推す

提案活動においては、最も王道の提案方法となります。

この様なプロセスで実施するので、プロジェクトを成功に導きます、と約束するのですね。

転職活動でもヒト(スキル)や実績で推していくのが難しい場合、プロセスで推していくことはあります。

転職活動におけるプロセス推しとは、その企業に対して自身がどの様に貢献が出来るのかを説明していくこととなります。

その場で経営戦略や課題についてヒアリングし、自分ならこうする、ということをその場で説明する形式となります。そこに、今まで説明したコンピテンシーや実績・スキルと絡めて説明が出来るとより説得力が増します。

実績・スキル・プロセスで推す

ここで注意しなければならないのは、一点突破を目指すのではなく、強弱をつけるイメージを持つと良いでしょう。

高等テクニックとはなりますが、面接官のタイプによって実績・スキル・プロセスのどれを重視するかは変わってきます。

一般論となりますが、担当者レベルでは実績・スキルといった過去の経歴、経営層レベルの面接では、プロセスといった未来志向について重視される傾向にあります。

とは、言いつつも、どこを重視するかをその場で判断するのは困難なので、全領域対策を取っておくのが良いでしょう。

まとめ

転職活動における型について解説しました。

  • コンピテンシーと実績・スキル、Factの関係性が階層構造であることを意識しましょう。
  • 実績・スキルは、募集要項に併せてテーラリングしましょう。
  • 実績・スキル・プロセスのうち、重点的に説明する領域を事前に考えておきましょう。

以上、転職活動における型について、紹介しました。型を抑えるのと抑えないのでは、良い転職活動が出来るかの分水嶺となります。是非、型を抑えた転職活動で良い転職先を見つけましょう!

関連記事

【第3回】転職面接における『想定問答』

想定問答への準備が不十分な状態で、転職面接を受けていないか
転職面接には、想定問答を準備すべき質問とそうでない質問が存在します。想定問答を準備すべき質問に対して回答に詰まる様なことがあれば、この候補者は何も考えていない、と面接官に思われる危険性があります。複数回転職した経験から、想定問答を準備すべき質問と、その回答例について紹介していきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました