こんにちは、ペン太郎です。
大手SIerから監査法人を経て、金融機関にシステムコンサルとして転職しました。転職活動を繰り返すうちに、転職出来るヒトと出来ないヒトにはマインドに差があることに気づきました。
転職は良いことなのでしょうか。
必ずしもそうは言い切れません。しかしながら、転職に対する意識を変えることで人生の選択肢が広がることも正です。
人生の選択を広げる手段としての転職について、マインドセットを変えていきましょう。
社会人の能力は、周りの環境次第
社会人の能力値はどこで決まるものでしょうか。
能力開発に費やした時間が能力値となるのでしょうか、仕事に対する習熟度が能力値となるのでしょうか。
“周りの環境によって能力値が決まる”が、一つの正解だと考えています。
戦国時代にゴルフの能力は必要でしょうか。プロサッカー集団に野球の能力は必要でしょうか。
周りの環境にマッチしてこその能力です。職場でも同じです。
如何に能力を持っていたとしても、自身の能力を活かせる環境に無ければ、成果を挙げれるわけではないですね。
監査法人で教わったこと
社会人の能力は環境で決まる、というのは、監査法人時代にコンサル出身の上司から教わりました。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、監査法人は、監査部門とアドバイザリー部門に分かれます。
公認会計士の多い監査法人において、アドバイザリー部門は、その業務の特殊性から多くの社員がコンサルファーム出身者で組成されています。
アドバイザリー部門の文化は、外資系コンサルそのものと言っても良いでしょう。
当時の上司から見て、成果を挙げられていなかったのでしょう。あるプロジェクトが終わった際に厳しいフィードバックを頂きました。
僕が見た所、君はこの会社に合っていないから退職して別の企業を探した方が良い。
(今思えば、この導入から入るのもどうかとも思いますが・・・(笑)理由は、はぐらかされましたが、成果が挙がっていなかったのだと思います。)
外資系のコンサルファームの基本は、アップ(昇進)orアウト(退職)である。
日系事業会社ではアウト(退職)はネガティブに見られがちだが、外資系の文脈では、決して、アウト(退職)=能力値が低い、というわけではない。
アウト(退職)=その企業や仕事に向いていなかっただけである。
当然ながら、特性に合った企業や仕事ならば自然とアップ(昇進)していくし、特性に合っていなければ昇進しない。
合っていない企業や仕事に貴重な人生の時間を費やすよりは、より特性に合った企業や仕事に就く方が長い人生にとって価値がある。
自分の時間を重要視してほしい。企業がヒトを選ぶ様に、君にも企業を選ぶ権利がある。
君はこの会社に合っていないと思うから、他社を選ぶという選択を考えた方が良い。
こういう事を言っている自分も、この会社に合っていないかもしれないけどね。
この言葉は厳しい言葉ではありましたが、それまで日系企業にしか経験していなかった自分は持っていなかった視点で衝撃を受けました。
これが、日系企業の文脈なら、体の良い首切りですよね。
今となっては笑い話ですが、その上司はそのフィードバックを私に与えて頂いた後、数か月後に別会社に転職していきました(笑)
上司は、その会社が合わなかったのでしょう。
変わらない環境で、惰性で仕事をしていないか
当時のフィードバック以降、仕事に対するスタンスについて悶々と考えさせられました。
日系企業のパラダイムは、恐ろしいな、とも思いました。
数社の日系企業で仕事した経験から、概ね、多くの日系企業は以下の状態にあるかと思います。
- 上司や先輩がしてきた仕事を脈々と引継ぎ、言われた通りにやることが正義と信じられている。
- 和を尊ぶ日本では、大きなマイナスの評価をつけない。降格人事も滅多なことでは発生しない。その為、年に一度の人事評価では大きな成果を挙げようが、仕事内容が期待未満でも、可もなく不可もなくといった評価がつけられる。
- 周りの不満が出ない様、昇進は、多少の年齢差はあるものの、年齢順で順当に昇進していく。
仮に、そのヒトに合った仕事でなくとも、”前に倣え(ならえ)“でレールに乗ってしまうこのシステムは、実は企業やそこで働くヒトにとって不幸でしかないのかもしれないです。
周りの環境次第では花開く特性があるかもしれないのに、個性を潰した仕事をしてないでしょうか。
1年に1度の人事評価では、今年も昇進しなかった、と思いながらも、去年と同じ仕事内容に満足している自分はいないでしょうか。
変わり映えのしないメンツ、変わり映えのしない職務内容、そして、昇進しない仕事の3拍子が揃えば、日系企業の闇に染まっているかもしれないのです。
環境変更は、転職だけが方法ではない
ここまでの中で”環境”と書いてきたが、環境とは何でしょうか。
創業者の理念でしょうか、それとも、規程や運用など、各企業が定めているルールでしょうか。
当然ながら、これらは業務プロセスに活かされていることは多いですが、職場の環境は、周りにいる同僚による所が大きいです。
近年ではテレコミュニケーションが主流となってきていますが、イメージ的に半径5m以内のメンバーとの関係性が環境と考えて良いでしょう。
“上司、先輩、同僚、顧客、仕事を進める上で目に浮かぶヒトとの関係性”が”環境”なのである。
なので、イケイケドンドンの営業部から、論理を重視する人事部に移れば、職場で携わる人が異なる為、環境を変えることが出来るのである。
良い環境と悪い環境
それでは、環境の良い、悪いについて考えていきたいと思う。
良い環境の例は、以下と言えるでしょう。
- 周りのメンバーとの関係性が良い。(ここでのメンバーは、上司、先輩、同僚、顧客)
- 自身の仕事内容が評価されている。
- 職場では、業務の進め方や改善提案が受け入れられやすい。
- 適切なフィードバックがあり、自身の成長に繋がるのか。
なんだか、自身の成長に繋がりそうですね。
一方で、悪い環境の例は、以下です。
- 周りのメンバーとの関係性が悪い。場合によっては、職場で怒号が響く。
- 自身の仕事内容が評価されていない。
- 職場では、惰性で仕事を進めている。
- 周りのフィードバックが的外れである。
自身の成長に繋がらず、時間を無駄にしているとも言えます。
職場は生き物です。最初は良くても数年経てば周りの人間も変わるし、職場の環境も変わっていきます。
最初は目新しい仕事でも、慣れが来てしまえば周りの人間も含め、惰性で仕事を進めてしまう様になってしまうかもしれないからです。
環境を変えるべき時とは
僕が考える環境を変えるべき時は、以下の3条件が揃ったタイミングです。
条件1:自身の仕事内容が評価されていない
条件2:職場にいても、自身の成長に繋がらない
条件3:市場価値と比較し、給料が安い
条件1:自身の仕事内容が評価されていない
仕事内容が評価されていないのは、直属の上司からの評価が悪いのでしょうか、それとも、会社の人事部からの評価が悪いのでしょうか。
直属の上司からの評価が悪いだけなら、部署異動が良いでしょう。
転職となれば、ゼロからのスタートとなります。
今までの実績がある会社より、何も無い所からスタートするのは困難であることは間違いないからです。
但し、自身のスキルが活かせそうにない部署が、他に無ければ転職というのも一つの選択肢になりえます。
条件2:職場にいても、自身の成長に繋がらない
以下の両条件に当てはまる場合は、自身の成長に繋がらない、と考えて良いでしょう。
1.周りの人間から適切なフィードバックがない
2.職場自体に改善の機運がない
条件3:市場価値と比較し、給料が安い
まずは、転職を検討するにあたり、自身の市場価値を知りましょう。
転職希望の有無に関わらず、転職サイトに登録しましょう。
どういう企業から声がかかりやすいか、また、どれくらいの金額でオファーがあるのか、知ることは、今の給料が安いか高いか知る指標となります。
まとめ
以上、転職活動へのマインドについて解説しました。
- 環境次第で、ヒトの能力値は変わる。ある職場で評価が悪くても、別の職場でも評価が悪いとは限らない。
- 満足する転職には、3つの条件(現職の評価、成長の有無、給料の高低)がある。
- とは言いつつも、転職は慎重に。まずは、部署異動から検討しよう。
日本においては、悪いイメージで囚われがちな転職ですが、転職は必ずしも悪いものではありません。良い機会があれば、逃さない様にしましょう!
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